オスグッド病=安静、というのは過去の話。適切な管理と運動療法で、痛みをコントロールしながらスポーツを続ける方法を保護者・選手向けに解説します。
ひざのお皿の下が痛むとき
オスグッド・シュラッター病は、成長期のお子さんに多く見られる、ひざのお皿の下あたりの痛みです。運動をすると痛み、休むと軽くなるという経過をたどることが多いのが特徴です。
骨が急速に伸びる時期は、筋肉の柔軟性が追いつかないことがあります。太ももの前にある大腿四頭筋が、お皿を介してすねの骨の出っ張り部分を繰り返し引っぱることで、その部分に負担が集中すると考えられています。
「安静にするしかない」と言われたら
以前は運動の完全な休止を指示されることが一般的でした。しかし休んで痛みが軽くなっても、練習を再開すると再び痛みが出る、という繰り返しに悩む方は少なくありません。
痛みが出ている部分だけに注目すると、なぜ引っぱられているのかという背景が見えにくくなります。現在は、練習量を調整しながら、負担の原因になっている要素に働きかけていく進め方が広く行われるようになっています。
確認しておきたいポイント
- ●太ももの前と後ろの柔軟性:とくに前側が硬いと引っぱる力が強くなりやすい
- ●足首の動く範囲:足首が硬いと、しゃがむ動作でひざへの負担が増えることがある
- ●お尻・体幹の筋力:ここが働かないと、着地や踏み込みでひざに頼りやすくなる
- ●動作の癖:しゃがむ・着地するときに、ひざが内側に入っていないか
- ●練習量の変化:急に量が増えていないか、休養日があるか
家庭でできること
練習後に太ももの前をゆっくり伸ばす、湯船で温めて硬さを和らげる、といったセルフケアは取り組みやすい方法です。ただし痛みを我慢して強く伸ばすのは逆効果になることがあります。心地よい範囲にとどめてください。
また、成長期は身長が伸びる時期と痛みが出る時期が重なりやすいため、身長の変化を記録しておくと、負担が増えやすい時期の見当をつけやすくなります。
受診を検討したい場合
- ●安静にしていても痛みが続く
- ●ひざが腫れている、熱をもっている
- ●歩き方が明らかにおかしい、体重をかけられない
- ●痛みの部位がお皿の下から離れている
成長期のひざの痛みには、オスグッド以外の原因が隠れていることもあります。上記にあてはまる場合は、整形外科での検査をおすすめします。
保護者の方へ
「痛みを訴えるのに練習を続けたがる」という状況は、保護者の方にとって判断が難しいものです。大切なのは、痛みの程度を確認しながら、続けられる範囲を一緒に決めていくことです。
当院では、動きの評価をもとに、そのお子さんに合った練習量の目安や取り組む運動をご提案しています。改善の経過には個人差がありますので、状態を見ながら進めます。