🦶スポーツ障害

足首捻挫の「正しい」初期対応とは?RICEからPOLICEへ

2026.05.105分で読めます

足首を捻ったとき、まず何をするべきか。従来のRICE処置から、現在推奨されるPOLICEアプローチへの変化と、なぜ早期の運動が回復を促すのかを解説します。

「歩けるから大丈夫」と思っていませんか

足首の捻挫は、スポーツ現場でもっとも多いケガのひとつです。あまりに身近なため「よくあること」として処置されないまま練習に戻り、あとから足首の不安定さや繰り返す捻挫に悩まされる方が少なくありません。

捻挫は靱帯という組織が伸ばされたり部分的に傷ついたりした状態です。歩けるかどうかは重症度の目安になりますが、それだけで判断するのは難しいところがあります。最初の数日の対応が、その後の経過に関わってきます。

RICEからPOLICEへ、考え方が変わってきた

以前は RICE(Rest 安静・Ice 冷却・Compression 圧迫・Elevation 挙上)が応急処置の基本とされてきました。現在はここに「適度な負荷」という視点を加えた POLICE という考え方が広まっています。

変化のポイントは Rest(安静)が Protection(保護)と Optimal Loading(適切な負荷)に置き換わったことです。完全に動かさないのではなく、守りながら痛みのない範囲で動かしていく、という方向に整理されました。

POLICEの5つの要素

  • Protection(保護):テーピングやサポーターで、傷ついた組織に無理がかからないようにする
  • Optimal Loading(適切な負荷):痛みの出ない範囲で、少しずつ体重をかけたり動かしたりする
  • Ice(冷却):腫れと痛みが強い時期に、痛みの管理を目的として用いる
  • Compression(圧迫):弾性包帯などで腫れの広がりを抑える
  • Elevation(挙上):足を心臓より高い位置に保ち、腫れを引かせやすくする

なぜ早めに動かすほうがよいのか

長く動かさないでいると、関節の動く範囲が狭くなったり、足首まわりの筋力やバランス感覚が低下したりします。とくに「足首が今どの向きにあるか」を感じ取る感覚(固有感覚)は、動かさない期間が続くと鈍りやすいことが知られています。

この感覚が戻らないまま競技に復帰すると、着地やステップのときに反応が遅れ、再び捻ってしまうことにつながります。適切な保護のもとで早めに動かしていくことは、こうした低下を防ぐ意味があります。

医療機関での検査を検討したいサイン

  • 足をついて体重をかけることがまったくできない
  • くるぶし周辺の骨を押すと、一点だけ強い痛みがある
  • 腫れや内出血が急速に強くなる
  • 足首の変形やしびれをともなう
  • 数日たっても痛みや腫れの改善が見られない

上記にあてはまる場合は骨折や靱帯の大きな損傷の可能性もあります。まず整形外科などで画像検査を受けることをおすすめします。当院でも必要と判断した場合は医療機関をご紹介しています。

繰り返さないために

一度捻挫をすると、その後も繰り返しやすくなることが指摘されています。痛みが落ち着いた段階で、足首の動く範囲、片脚でのバランス、お尻や体幹の安定性まで含めて確認しておくことが、再発を防ぐうえで役立ちます。

当院では、痛みの管理だけでなく、競技復帰とその後を見据えた運動療法を組み合わせてご提案しています。経過には個人差がありますので、状態に合わせて進め方を調整します。

足首捻挫初期対応

この記事の内容について質問がある方は

症状の程度や進め方には個人差があります。気になる点はお気軽にご相談ください。

LINE予約